鳥取県智頭町でオルタナティブ教育体験

随分久しぶりの更新。


実は日本に一時帰国中だ。


亡き祖母の家ある鳥取の山奥で

のんびり時を過ごしている。



今回は子供たちに

日本の学校体験をさせてあげたくて、

鳥取の智頭町で、親子で数日滞在しながら

森のようちえん「まるたんぼう」と

新田サドベリースクールに

子供たちをそれぞれ送った。


一週間にも満たない体験入学だったけど、

森とそこで出逢った人々に

私の心が溶けるように緩むのを感じていた。


そして、後を引く出逢い、


と言えばいいのだろうか。


うまく表現できないが、

きっと私たち家族にとって

何かの「きっかけ」になるんだろうなという

そんな予感がする出逢いだった。



新田サドベリースクールでは、

子供たちは全くの自由。

ゲームも話し合いの末、

してもよいことになったらしい。


初日だけ親も見学するように

なっていたので、

私もその木造りの素敵な建物の中で

一日を過ごした。


子供たちは会議時間と掃除時間以外は

思い思いに過ごしていた。


大半はゲームに熱中!



正直、もやっとした。

うちの子も四日間の滞在だけでは

ゲームを覚えて帰ってくるのだろうなと

覚悟をしていたものの。


しかしスタッフのようちゃんは、

別に何を思うわけでもなく、

淡々と自分の作業をこなし、

ゲームに飽きた子がちらっと遊びに来ると

一緒にカードゲームをしたり、話をしたり。


「自由を味わい尽くす中で出てくる、

本当に学びたいもの」が

子供たちの中から涌き出てくるのを

静かにただ待っているような気がした。



「少し前は漢字が流行ったし、

数学も流行りましたよ」


勉強が「流行る」という表現が

なんだが新鮮で

「学びって、本来楽しいもの」という

それを体験できるところなんだと

思った。


今の社会システムの中で

小さなうちからそれが経験できるなんて、

なかなかすごいことだと思った。


ようちゃんとも話していたが、

ある程度大人になって

義務としての教育が終わって

自由に放り込まれ、

飲んだり騒いだり遊び倒してから、

はたとある日、

人によっては

「これじゃいかん」という

危機感だったり、

「もう遊びはいいや、なんか勉強したいな」という欲求という形で

何かを始め、

「学びって本来楽しいもの」を

実感するようになるのではないだろうか。



ゲームも様々な経緯が

あってのことらしい。


ゲームは禁止だった時は、

掃除の時間になっても、

なかなか動き出さなかったのだが、

みんなで熟慮の上、ゲームを解禁したら

子供たちは掃除もきびきびと

するようになったらしい。


実際にわたしが訪れた日も

掃除の時間になる3時には

みんなそわそわし出し、

ようちゃんが働きかけるわけでもなく

率先して掃除を始めていた。


それでも、やはり

ゲームばかりしている姿を見てると

もやもやと

「悪影響を与えている」ように

見えてしまうのは、否めないけれど。


うちの子は、

ゲームは持ってないので、

そのことに関しての悪態は

しっかりつかれた 笑


まぁ、みんながしていたら

したくなるよね。わかるわかる。


ゲームを持ってない子のために、

会議の結果、スクールの予算で

ゲームも一台購入したので、

それを少しさせてもらったらしい。


でも、それ以外にも

サドベリースクールで親が

少なからず期待するであろう経験も

してきてくれた。


(スタッフの皆さんの気遣いかな?笑)


薪を集めてマッチで焚き火をしたり、

ハンモックにのってみたり、

怪我をしながら

竹を割ってお箸を作ってみたり。


彼女の夢であった

「はじめてのおつかい」も叶った!

(その日の朝は、大興奮の中、

学校へ行った 笑)



山の中にあるのだけど、

毎週金曜日に歩いてすぐの

パン工房が開くので、

お昼ごはんを買いに行きたい子は

自由に買いに行くらしく、

娘にもお金を持たせて、

友達と買い食いをしたのだ。


アメリカでは、

法律的にも治安的にも

不可能なことなので、

すごく喜んでいた。


彼女は、自分の分だけでなく、

私と弟にも、パンを一つ買ってくれて、

持って帰ってきてくれた。


はじめてのおつかい

(というか、買い食い?)で

余裕もない中、

私たちのことも考えてくれたことが

すごく嬉しかった。


優しい人だ。


彼女は彼女で、

体験が終わることに

大ブーイングするほど

楽しい経験だったみたいだし、

私は私で、スタッフのようちゃんから

かなり刺激を頂いた。


(話したら、同郷で

彼の弟とは、高校も一緒で

共通の知り合いもいたりして

びっくりした。)


ようちゃんは、

4人の子供のお父ちゃんだが、

「来年ニュージーランドに移住しようと思ってるんです」と話してくれた。


「え、向こうで何かお仕事されるんですか?」

「あ、いや、別に何かあるわけでもないんだけど....、ただ行ってみたらどうにかなるかなって」


すごい、この人ならやりとげるだろうなと

思った。

肩に変な力も入ってなく、

淡々とした、うちから出る

凄みだけを感じた。


下の子はまだ一歳だから、

4人の子供がいるから、

VISAがないから、

仕事がないから、

だから海外に移住なんて無理。


そんな制限が

まるでない人に

初めて会った気がする。


わたしも

できない理由を

全て一度フラットにして、

さぁ私はどこに住みたいか、

どんな暮らしをしたいか、

何をしたいか、

考えるキッカケとなるような、

素晴らしい出逢いだった。



次は森の幼稚園について、

記録を残しておきたい。

こちらも素晴らしい出逢いと体験だったのだ。


↑こんなところでぼーっとする時間もきっと

かけがえない。

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